スレイヤーズ感想記
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TRY感想記第3話「傍若無人なアイツはどこへ?」
2006年01月07日 (土)02:09
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 ふと視界の端に移るあの感じ…、誰もいないはずの台所にこだまする短い足が床を擦る音…、……ぜってー……いるっ!
 なんでわかっちゃうんでしょうかねー、ヤツの居場所なんて見つけたくないのに。家が木造一戸建ての一階、夏場は3日に1ぺんは遭遇していた私は、フィリアのあの感じがわかるような気がします。
 というわけで、TRY3話はお久しぶりなゼロスが登場っ!TRYの見所?でもある神魔の極端な二人の初対面(は4話なんですが)です。

 フィリアの”世界の危機”を救う依頼を受けるリナでしたが、相変わらず元の港町で食事中。ほんと、1回は何か食べてるスレイヤーズです。
 この港町、スレイヤーズの中で好きな背景ベスト3に入るくらい綺麗ですよ。…しっかし、無印時代からギャラの違いがここまで影響するアニメも珍しい。背景も同じ中原英統氏がずっと担当しているんですよ。でも、無印の水彩系背景と、TRYの厚塗りの細かい美術設計はとても同じ作品とは思えません……。たいへんだっただろうなぁ、どんどん注文が細かくなってって。それでなくても、この時期、エヴァ現象でアニメが乱発。人手も少ないはずでした。原画や動画もどんどん枚数増えてってここまでのクオリティーを作り出したTRY。ありがたく、拝見することにします。

 四方バラバラに散っていく一行。ゼルの寺院、図書館荒らし、アメリアの高いとこ巡り、リナとガウリイの美味いもの巡り。なんかこれって、ルパンっぽいっ!ルパンと次元はいつも一緒だけど、不二子と五右衛門って他のことしてる時多いじゃない。依頼者のフィリアはたいへんだよなぁ…。

 変わって性懲りもなく、砂族を荒らすグラボス&ジラス。スクエアエニックスが泣きますね、このパロディーは。そうか、この鳥ってチョ○ボだったのか。
グラボス「へへっへへへ。この村に昔から伝わる、へんてこな剣がありやがるだろ?大人しくそいつをよこしな」
砂族村長「ピチュッ!ピチュ!」
グラボス「ええ〜〜いっ!わかるような言葉でしゃべらんかいっ!」(アニメでそれは禁句だよっ!それを言ったら千年間も結界内にいたリナたちなんて、全く言葉通じないはずだよ。
砂族村長「伝説の剣……守り神…………この地の平和…守る………

取っちゃ……駄目だピ」

……オーケィー、じーちゃんの語尾に”ピ”、萌え。

 アメリアの高い所巡りをしているときの鼻歌は、「乙女の祈り」の替え歌なんですね。芸が細かい細かい。
アメリア「♪ 正義を貫く 女の子には 悪の魔の手が忍び寄り いけいけヒーロー 憧れ…」
 ごめんなさい、よく聞き取れない…。カラオケ(JOYサウンド)で替え歌してくださいっ!……プリキュア歌うより恥ずかしいかも。プリティーでキュアキュア!

 開かずの寺院(アンコールジボアット?)を開けるゼルガディスの呪文は、やっぱり扉開けのダム・ブラス。
村人「お前は完全に包囲されたっ!これ以上の無法は許さんぞ。この残酷な魔剣士めっ!」
 おお、にゃらにゃら以来(NEXT3話)の「魔剣士扱い」。そりゃ、しめさばと合成されて、船の錘に使われて、不幸キャラに成り下がっていたゼルガディスの久しぶりのダークヒーロー扱い。
ゼル「…いい、響きだ」
 泣いていいよ、ゼル。お前は復活したんだっ!

アメリア「いいですか、皆さん。正義を愛する心を忘れずにっ!その熱意と根性が、皆さんに奇跡をもたらすのです。正義にできないことはないっ!」
村人「おおーーー」
 だんだんマルチナめいてきたアメリア。宗教勧誘はほどほどにー。そういや、人の顔見れば手相を見ようとする(未だに)渋谷のおばさんたち。そんなに私って神にすがりそうに見える?(事実)

 そして悪魔と呼ばれアメリアと対決することになったゼルに対し、フィリアが怒りの顔面モーニングスター打ち。覚悟を決めて、さらりと右手で防御するも虚しく、一瞬の「いてっ」という噴出しと共に、モーレツな勢いで飛んでいくゼルガディス。ガウリイと同じく垂直に空に上がっていくゼル。その顔には洗濯物、体勢はあくまで優雅にっ!
 フィリアの渾身の一撃の裏で、笑い転げ建物から落ちるゼロス。

 TRYの名物、笑い畳みがけ。こんなところで動画枚数を惜しげもなく使うスレイヤーズスタッフが大好きですっ!

ガウリイ「でもよぉ。なんだって、街をうろついてただけであんな騒ぎになっちまったんだ?」
アメリア「……魔術?」
ゼル「確かに、ここの連中、俺たちの魔術に異常なほどの反応を示すが…」
フィリア「それは無理もありません。」
リナ「えっ?何で?どうして?」
フィリア「彼らは、あなた方が使うような魔術は、ほとんど見たことがないのです。そもそも、魔術が異様なほど発達したのは、魔族の結界の内側にいたリナさんたちの国々に限ってのこと」
リナ「へ?ってことは…」
フィリア「ええ。この辺りは魔道士と呼ばれる人間でも、せいぜいスリーピングやライティングとか、その辺りの術が使える程度です。」
 カタートにいる北の魔王を守るため、魔族が1000年間張り続けた結界の中で、魔法を発達させ続けた人間。…うーん、強かですねぇ。1000年前にはドラグスレイブもあったというに、魔法がそんなに結界の外で発達しないのはなんでなんでしょうねぇ。
 ライティングやスリーピングは、確か人が丸暗記でカオスワードを唱えるだけで発動するレベルの術ですが…。
 むしろ、重火器が発達していることを考えていると魔法が退化したと考えられるかも。
 そうだよな、降魔戦争より遥か昔、水魔戦争の時、神魔融合魔法を発動させる魔道器を作れるくらいこっちの世界でも魔術は発達していた。しかし魔道器の作成から重火器へ移ったこの外(東)の世界。まるで、錬金術から科学へと発展していった中世そのものですね。

 そして、次の場面。やっと登場、ゼロスにフィリアが気づく場面。ゴールドドラゴンってのは神に仕える種族なんですねぇ。空竜王にはいなかったけど。でも悪寒が走るくらい毛嫌いするフィリアは敏感だよな。
 一方ヴァルガーヴは光の剣、ゴルンノヴァを奪いに、リナに襲い掛かる。
 フィリアが絶叫したその直後、空から送られる一撃。
 ヴァルガーヴ、単刀直入というか、ここらへん、いきなりゼロス切って現れるガーヴの戦法と瓜二つです。フィリア…よく無事だったね…。
リナ「まさかっ!本当に魔族っ!」
ヴァル「まあな。ようやく会えたな、リナ=インバース」
リナ「へぇ?もう、こっちの世界でもそんなに有名になっちゃったのかしら?あたしの名前」
ヴァル「ふっ、なるほどな。聞きしに勝るふざけた奴のようだ。どうして、こんな小娘に我ら魔竜王さまがやぶれたのか…」
リナ「魔竜王?あんたいったい」
ヴァル「俺か?俺は…こういうものさ。挨拶代わりに受け取れぃ!」
 放つ魔法は、赤い火柱が一本相手に向かって打ち出る貫通型。ガーヴフレアの特徴です。(アニメ版)
リナ「この…力はっ…… ! まさかっ!魔竜王、ガーヴの……」
 よくわかるな、私はガーヴの力といったらたまねぎ魔球しか思い出さないよ。それにしても、半年経った視聴者や新規視聴者にはやさしくない単語のオンパレードですよね、TRY。
ヴァル「ふふふ、ご名答。俺の名はヴァル・ガーヴ。ガーヴ様に仕えし、誉れ高き魔族の一人よ」
 うーん、ガーヴも部下がセイグラムあたりじゃやるせないもんねぇ。アニメ版だと。
ゼル「なんだと?」
アメリア「リナさんのラグナ・ブレードでもさえも倒せなかった相手…魔竜王ガーヴっ!」
ヴァル「懐かしいだろ?決して貴様らの知っている力に、ひけはとっていないはずだ」
リナ「くっ…何だって今頃になってそんな奴が!」
ヴァル「しれたことよ。ガーヴさまの無念を晴らすため……リナ=インバース。貴様を殺すっ!」

 というわけで、いきなりピンチになるリナ。防御結界張ってる時のガウリイは居場所が相変わらずなさそうだ。というかTRYは全体的に居場所がないぞっ!
 
ゼロス「ふふふ、これでやっと役者が揃ったようですね」

 次回はついに、ゼロスVSヴァルガーブ第一戦だっ!砂族の神剣の行方、光の剣はっ!
 個人的にTRYで一番好きな戦闘シーン。作監、戸部さんの豪華な回です。お楽しみに。

TRY感想記第2話「半信半疑?故郷からの手紙に!」
2006年01月05日 (木)02:32
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 えースレイヤーズ中、もっとも腹が減っていて、もっとも凶暴な顔つきをなさっている……まさに、”スレイヤーズ”の名にふさわしい回です。
 数々の名セリフと強烈なシーンで(一部に)名が高きTRY2話。おそらく、これまで作画監督をなさっていた加藤洋人氏が、演出、絵コンテ、作監をやられています。かわいいフィリアを描かれるその腕で、シリーズ中もっとも印象深いガウリイとなったゾンビガウリイ、一瞬のコマながらファンブックに「魔族も逃げ出す」とまで言われたリナ(イラストの顔)を描く加藤さんの絵はすばらしいですね。
 絵だけではなく、その動きも印象深いものが多いのですが、あとで詳しく語りたいと思います。

 というわけで、タイヘン長くストップしていたトーク、久しぶりの再開です。(再開じゃなくて、このペースで続くのかも…)

 さて、沿岸諸国連合から一転、結界の外へと旅立ったリナ一行。前回の意気揚々とした旅立ちの掛け声とは、打って変わった船内の様子…。
 スレイヤーズでは本当によく起こりますね。
 食料がない……。

 無印16話でも賞金稼ぎに追われて食事ができないリナたちが、においに釣られて旅の一座に入る話がありましたが、あの時とは腹の減りようが違うようです……。あの頃は、アメリアがフォークで肉団子をつまむかわいらしさとつつましさがあったのに、今はかもめの羽を生でむしる凶暴さ。
 そして、ゾンビガウリイ…、かもめに摘まれてると思ったら……。声がまさに迫真の演技。ほとんど、聞き取れません。

 それにしても帆の裏からボム・ディ・ウィンとはっ!さすが、脚本高山さんの回だけあって、魔法の使い方にリアリティがあります。
リナ「待ってなさいよぉ!あたしが街中食い尽くしてやるからっ!」
 リナが言うと説得力ありすぎ。

 さて、場面は変わって怪しい雰囲気。クイーン・ベリルとか出てきそうですね。ここはアルメイスらの本拠地。おおぉっと、出てきましたヴァル・ガーヴ!まるきり悪役の登場って感じです。レゾ、フィブリゾといいどんでん返し系のラスボスがスレイヤーズの常識。だから、最初はまったくの中ボスと信じて疑いませんでしたヴァル・ガーヴ。毎回、主人公に撃退されては、
「覚えていろ、リナ=インバース!次こそ、ガーヴさまの敵をとらせてもらうっ!」
と言いつつ、毎回”次”ではないシリーズお決まりの展開+最後に味方になってしまう間抜けな敵役と思っておりました。
 いやぁ、これがんんーーーな展開になるとは、すごいどんでん返し。全く別方向へ行ったからスレイヤーズはやはり型破り。この時点では気づきもしませんでした。

 さぁ、ヴァル・ガーヴからの指令を受けて街に正面から入り盗みを働くグラボス&ジラス。
 もう、この二人はまるっきりザングルスとヴルムグンですね。この頃は真面目に悪役やってるんだけど、すでにジラスが鳥から落ちてる辺りがやっぱり可笑しい。
 今回は世界に出ることがテーマというわけで、異文化らしさを感じる砂漠と、枯れた大地などが舞台になっています。
 ライゼール帝国の東は別大陸なので、文化、思想、魔法共に全く違う風に発展した大陸になっていますが、TRYの舞台の沿岸諸国の南は、それほど結界内と変わりありませんね。文明水準はきっと結界内のほうが高いでしょうが。

 グラボス、ジラスが暴れる中、突如として陸へあがってくる船。いきなり壊れます、あっさり壊れます、こんなんでよく大陸渡ってこれたというくらいあっさりです。
リナたち「めっしめっしめしめし〜〜〜〜〜〜っ!」
 「俺はそんなにがっついてないぞ」と言わんばかりのゼルガディスだが、ペースはみんなと同じなのね。
 港がお取り込み中ということを知り、リナたちは八つ当たり…いえ、正義の鉄拳を振るいます。
リナ「人がおなかを空かせてやっと辿り着いたってのに、それを邪魔しようとは言語道断、天罰覿面っ!!!」
ガウリイ「そうだ……、これ以上オレたちの腹を空かせると……何をやらかすかわからんぞ」イッパイイッパイだね、ガウリイ。
グラボス「なっ…なんなんだ、てめーら……」
リナ「はっ!あたしのごはんを妨げるものに、名乗る名なんてないわっ!」
グラボス「なんだと?」
アメリア「罪なき人々から無理やり金品を強奪するとは、すなわちそれは紛れもなく悪っ!正義と愛と真実と食欲の名の下に、このアメリアが鉄槌をくだしてみせるわっ!」アメリアの名セリフのですねっ!
グラボス「ちょっと待て、その最後の『食欲』ってのは何だっ!?」律儀に突っ込むんだ、グラボス。それでこそ3流悪役っ!
ゼル「とにかく、さっさと尻尾を巻いて帰ることだな」
 スレイヤーズ、屈指のはらぺこ口上です。
 この後のバトルは、何も言いますまい。
 アメリアがハングリーのヴィス・ファ・ランクで敵をぶちのめし、ゼルはその反動で頭突き?でしょうか?

 こんな情けない戦闘で、光の剣を狙っているという敵の思惑がばれてしまいます。本当にTRYはどこまで本気なのかわからない、真面目そうにやってない回で話が進んでいたりします。そういう意味では、無印後半と非常に近しいテンションですね。NEXTでは話を急展開させるため説明することだけで追われていた部分がありますが、TRYではその性急さはありません。じっくり、じっくり話は展開していきます。

 爆弾を投げるジラス。今回のメインのひとつ。ジラスの爆弾。今はまだ、リナのアクア・クリエイトくらいでやられてしまっています。ジラスはスレイヤーズの法則のひとつ、成長するゲストヒロインと同じく、これからどんどん知恵をつけてゆきますが…、はっきり言って誰がこの時点で彼に目をつけていたでしょうか?アイ・キャッチを独占すると思うでしょうか?まさに、報われた3流キャラ。ヴルムグンにその少しでも栄誉をわけてあげたいですっ!

 おっ!リナを守るゼル。顔面で大砲の弾を跳ね返しました。なんなんでしょうか?この演出は。ゼルの芸風がよくわかりません。どう言っていいのでしょうか、面白いのか、なじられ役なのか、二枚目なのか、それはまるで面白いのか、つまらないのかはっきりしないアン○ールズのようです。(ごめんなさい、言い過ぎました

 さて、戦闘が終わり、町の人のお礼のお食事。
 私はスレイヤーズの中でこの食事風景が一番好きです。っていうか、さっきの戦闘シーンより明らかに手を入れてるこの食事シーン。
 魚のポッキーキスは生臭い恋のアジ。…なわけないか、ムード全くなしのガウリイとリナ。
 これも好きですが、なんといっても好きなのが、アメリアのパスタ一本釣り!これ、大好きですっ!いいなぁ、この釣られるアメリア。釣るリナ。思わず、ハリセンを構えリナをはたくアメリアと、つぼを持って逆襲するリナ。うーん、ほほえましい…。
 この食事風景を見た後、無印の最初のガウリイとリナの食事バトルを見てみてください。泣けてきます。
 ゼルはさすがですねー、方位を確かめております。旅に必須とはいえ、街道が整備されている結界内では必要とされない技術。博識のゼル、TRYでは大いに活躍してくれます。

 そして、現れたゴールドドラゴン。出ました、2度目の登場、フィリア=コプト!リナに依頼を頼み、ガウリイを叩き飛ばして帰ってゆきましたが…、パンツをみられたことはどうでもいいようです。何食わぬ顔でまた現れました。
 ここら辺がフィリアさんですよね。私は、フィリアというキャラは無理した大人感という言い方がぴったり来るキャラクターだと思います。
 これは、シルフィールとはまったく違う年上キャラです。シルフィールは自分がリナより大人であることを自覚していて、その上で甘え上手でしたたかです。
 それに比べて、フィリアは表面上だけ冷静で、やや上目線でリナたちを見ている節があります。そして、会話にかかわる考え方をしているくせに、わざと加わらない、一歩引く。
 当初のフィリアと、のちのフィリアでは第一印象がこれほど変わるのかというほどの、変貌をみせますが、なんのことはない、抑えているんです。フィリアって。
 「あー、私とそう変わらない大人だな」と思わせる年上キャラ。それが、フィリアだと思っています。
 リナ、アメリアたち、スレイヤーズの既存キャラクターと違って、シルフィール、マルチナ、フィリアは実にリアル思考の少女たちです。
 スレイヤーズはあらかじめ力が決められたキャラクターたちが、まるでチェスの駒のように配役されていますが(一冊中は…の話です)、そうでない、イレギュラー要素を持ったキャラクターが必ず1作中一人います。その活躍が多かれ少なかれ、アニメスレイヤーズの魅力になっているのではないでしょうか。
 私は見ていた当時、フィリアより年下でしたが、今はフィリアとそう変わらない精神的年齢(フィリアの実年齢にはどんなに年をとってもとれない)に達してしまいました。今だったら、フィリアがよくわかるなぁ。こういうタイプの先輩って、年下は苦労するけど…ねっ!

 さて、フィリア談義はいいとして…フィリアから依頼の内容がはっきりして告げられることで、TRYの本題がわかってきます。
 その内容は巫女に下される信託(この信託って誰が、どうやって送ってるんだろ?スレイヤーズのなぞのひとつだわ)を阻止すること。

「闇の星を統べるもの
 光に招かれ
 この世に闇を満たさん

 竜の血連なり
 闇と光とその狭間の力を導き
 星の一欠け呼び覚ます
 星を紡ぐ五つの光 その力もて

 黄昏よりなお昏きもの
 暁よりなお眩きもの
 導かれし力を束ね

 我にただ 天空を貫く一条の矢を与えん」

というものでした。

……己の欲で動くから、事件に巻き込まれるリナたちが、世界の危機とやらを回避するために動く……。ぷっ!リナじゃなけど、紅茶を噴出しちゃいますね。案の定、ぜんぜん乗り気じゃないリナ。
 考えましたね、これを郷里の姉ちゃんに引き受けさせるとは。このくだりの台詞回しとか本当に上手い。
 リナは恐怖でなぜかピラミッド(加藤さん、だよね?この演出考えたの)に篭ってまで怖がり、引き受けてしまいます。リナにしてみりゃ、依頼を引き受けない限りはこの世界で食っていけないし、無期限のパトロンとして大いにフィリアを使えるって打算もあったでしょうが。
 ともあれ、フィリアの依頼はそっちのけの3話をみれば、使命感なんて全然なさそうですが……、話はリナともかかわってきます。光の剣を集めるヴァル・ガーヴ、次回、いよいよ登場ですっ……!
登場はいつだろう……(弱気)

TRY感想記第1話「威風堂々?旅立ちの帆をあげろ!」
2005年04月06日 (水)09:58
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 やってきました、TRY編!実は何より三度目の蘇りを信じていなかったのは、私。はじめて見た時にはもう、嬉しくって仕方がありませんでした。なんせ、原作が追いついていませんでしたし、「もうスレイヤーズも終わりかなぁ」なんて言ってた頃です。
 まさか、オリジナルストーリー引っさげて再びテレビで放映するとは…。この頃、第3次アニメブーム(たぶん)が起こり、どのテレビ会社も競ってアニメを放映していました。スレイヤーズが何度もよみがえったのは、このアニメが評価されたからなのはもちろんですが、何よりエヴァさまさまなんですよね。

 しかし…それだけにこのTRY、好みがはっきり分かれるところです。まず、エヴァ旋風の煽りをまともに食らったとしかいいようのない、演出…。オリジナルストーリーで無印、NEXTのような補足が効かない面。主役をはっきり言って食ってしまったオリジナルキャラクター、フィリア。
 私はTRYのこうゆう面が気に入りませんでした。

 ですが、それはあくまで原作をこだわった物の見方だと思います。アニメになればアニメの演出があり、オリジナルストーリーになった時点で原作と雰囲気が違うのは当然。その解釈が昔の私はできなかったようです。
 今じゃどうしても第2部をアニメ化してほしいとまで思ってしまうほど、アニメスレイヤーズが好きになってしまいました。

 フィリアについて批判を言ってしまったので弁解させてください。今は好きです。当時は微妙でした。ですが、こう考えるとしっくりくるんですよ。
 フィリアはスレイヤーズでお決まりのゲストキャラです。その役割は例えば原作1巻におけるゼルガディス。原作3巻におけるシルフィール。4巻のアメリア。大まとめにすれば第2部におけるルーク。
 スレイヤーズの骨組みは、リナ、ゲストキャラ、敵の3つのグループで成り立っています。面白いことに、実はリナはちょっかいを出しているから物語の枠に当てはまっているだけで、実はゲストキャラと敵だけで、一つの関係性が成立。場合によってはゲストキャラが主役って場合の方が多いんです。
 例えば原作1巻。あれはゼルガディスとレゾの戦いにリナが巻き込まれた…と考えた方がしっくりきます。ゼルガディスが血縁関係のあるレゾに体を改造され、レゾに離反。賢者の石を求めるも、それは敵の手に渡り、魔王になってしまったので倒した。
 すんごくありふれた英雄伝です。
 スレイヤーズはその下地の英雄伝を、サポートであるはずのリナを主役に持ってきて、視点を全くリナにしてしまうことで、王道の物語を逆転させてしまう面白さを生んでいます。その場合、リナはある程度成熟しきったキャラクターで、性格、言動、力、共に100%。ほぼ無敵の状態でバッタバッタと敵を蹴散らすから爽快感があるんです。
 
リナはサポートの位置といいましたが、実際にはそうゆうわけでもありません。……美味い言い回しができなくて申し訳ないんですが、大体ゲストキャラVS敵、リナVS敵の2重構造になって居る場合も多いです。
 原作4巻なんかは完璧な2重構造。フィル・アメリアVSアルフレッド、リナVSカンズェルになっています。あれは、フィルさん、アメリアのお家騒動にリナが首をだしており、その首をカンズェルが狙うという関係になっています。
 この2重構造によってリナ本筋のストーリーも成り立っています。スレイヤーズの面白さはむしろこの構造にあるんだと私は思ってしまうのですが……意義ありって言われそうな持論ですな。

 話を元に戻します。で、このTRYのリナの位置は、前者のサポートだと思います。そしてゲストキャラがフィリア、敵がヴァルガーヴ。
 話を英雄伝風にまとめると、世界の危機が迫っていると信託を受けたフィリアが、仲間と共にその原因を探る。しかしその敵というのがかつての同族が起した罪によって恨みを持つものであることを知ったフィリアは困惑する。でも何とか倒し、その敵の生まれ変わりを育てることにする。って感じになります。
 これをリナの立場から見て、バッタバッタと蹴散らすんだ……って、できないんですよね。だって、アニメは一人称じゃありませんもん。
 そして、アニメTRYは、リナの位置に失敗したとしかいいようがありません。リナとヴァルガーヴの関係性が余りにも低すぎます。いえ、最初はよかったんですよ。リナを復讐しに来たヴァルガーヴ。大いに関係性があったのですが、最後の方はむしろヴァルガーヴとフィリアの方が目立ってしまい、クライマックスの盛り上がりが大いに欠けました。(最初フィリアとヴァルガーヴ、最後にリナとヴァルガーヴだったら全然問題はなかったものを…)

 また監督の趣味と言っては何ですが、女の子の何かしらを成長させるのってアニメスレイヤーズは大好きなんですよね。それは感想記読んでてわかっていただけると思うんですが、ほぼ全員です。フィリアも例外ではなく、そこに時間をかけすぎたというのもあると思うんですよね。
 初期のゼルガディス(原作1巻、アニメ無印)のように何かがあったんだろうけどそれをリナは知らないから、読者も知らない…くらいにバッサリ、ゲストキャラのエピソードを斬ってしまえば「フィリア裏主人公」なんぞという陰口を叩かれなかったと思うんですが、もう懇切丁寧に説明しちゃったモンだから…。

 でもそう考えるとフィリアのキャラクターのせいじゃないんだ。と考えられるようになってからは、フィリアに対する漠然とした気持ちはなくなりました。
 TRYはちょっと…。それからスレイヤーズ離れちゃったよと言う方も、是非とも感想記見ていただきたいなと思います。私もそうでしたから。
 逆にTRY派の皆様にはご期待に添えない感想になる…かもしれませんが、こうゆう考え方の人もいるんだなー的に見てもらえれば幸いです。

 さて、出だしの1話。もう、大好きです!
 お決まり事がいくつかあって、そこがなんとも言えず嬉しさを引き立てるんですよね。その上素晴らしいクオリティーですからっ!

 出だしはリナオンリー。パジャマ姿でお目にかかれるとは思わなかったよ…。手紙を受け取るってのは今までの依頼の方法とは違いますね。えらく紳士的だわ、フィリア。
 変わって出てきたのは、フィルさん!おおー豪華豪華!準レギュラーだよなぁ、シリーズ完全制覇とはやるなぁ。声がダンディーになってるのが可笑しくって仕方が無い…。ランディー役の稲葉実さんです。
 設定がやっぱりいいですよね。魔族の結界が破れ、外の世界へ出ようと使節団を派遣するセイルーン。セイルーンは内陸国なのに沿岸諸国連合に船を持っているんだろうか?やっぱりでかいなぁ、セイルーン。ゲームろいやる2でも、セイルーン王族と関係がある国…ってのが舞台でしたが、沿岸諸国連合の中には、セイルーンと結びつきの深い国があるのかもしれません。

 この民族音楽が流れるのも第1話の掟…。そして、おっ!出ました、リナとガウリイの食事風景。そしてガウリイが状況説明に「外の世界ってなんだ?」って聞くのもお約束!
NEXTのキーワードは「異界黙示録」、今回は「外の世界」ってところでしょうか。

リナ「魔王シャブラニ・グドゥが復活した1000年前の降魔戦争―、それ以来あたしたちが住むこの区域には魔王配下の高位魔族の結界が張られ、その為にこの世界には出ることも入ることも、ほとんど不可能になっていたのよ。(一部修正)
 だが、この時代、劇的な変化が訪れた!とある美貌の天才魔道士の活躍によって、その魔王腹心の部下、フィブリゾが倒され、かくてあたしたちの住む区域を取り巻く結界は消え去り、外の世界との交流が可能になったってわけよ!」
ガウリイ「へー、すごい魔道士がいたもんだな。」
リナ「あたしのことよ!あたしのことっ!」(自分で”美貌の”天才魔道士ってつけちゃうところらへんが、芸が細かい…)
リナ「それに、あの光の柱。それ以来、あの光の柱が見えるようになって…」
ガウリイ「なんだろうな、あれ。」

 ってなわけで、結界の外へ…てのがキーワードでした。そこへ登場したのはゼルガディス。久しぶりにフードとマスクの怪しい出で立ちで登場です。ああっ、ダメだよう、ゼルは「テカテカテカ〜〜ン」って光らないと!
 そして登場!フィリア!
 依頼人って形で登場するのはいつも唐突な形で登場するスレイヤーズキャラらしからぬ行儀のよさ…。しかし…スカートめくりされて、太ももからこんぼう…。やっぱスレイヤーズだな。突っ込みどころがわからんよ、その尻尾とこん棒。
 そして、密かに鐘にはまるのが第1話の掟なんだろうか?
ガウリイ「ああ……いってーよぅ……。」
リナ「ふんっ!あんなことすればぶん殴られて当然でしょ!」
ガウリイ「だからって……イテテ……」
ゼル「だが何だってまた…その…なんだ……スカートめくりなんてやらかそうと思ったんだ?」
ガウリイ「スカートめくり!?違うオレはただあの中がどうなってるのか見たくて…」
ゼル「それをスカートめくりと言うんじゃないのか。」
ガウリイ「ちがーーう!オレは尻尾がっ!」
リナ・ゼル「尻尾?」
ガウリイ「そうだよ、あのねーちゃん尻尾が生えてたんだよ。」
ゼル「それでスカートの中を?……俺はまた、とうとうガウリイも色気の全く無いリナに見切りをつけて他の女に手を出すようになったのかと」
リナ「あのね!どういう意味よっ!」
こん棒を投げ渡されて…
リナ「へっ!うわぁ!何これ、めっちゃ重たい……」
ゼル「あのねーちゃんに色気があったかはともかく、こんなものを振り回せるなんて只者じゃない。」
リナ「まっ、今更この世界で尻尾が生えてるのが出ようが驚きゃしないけど…。ワーウルフとか半魚人とか。」(半魚人の尻尾がどこにあるんだ?どこに…
ゼル「尻尾の生えた女か、”怪しさ大爆発”ってとこだな。」
 フィリア…ゼロスと評され方が同じだよ。ってか、ゼルのやつアメリアの語調がうつったな?

 そしてアメリア、ニュードレスで登場!
リナ「ちょっと、あれアメリアじゃない?ゼルぅー!アメリアよ。アメリアーー!アメリア!あたしよ!あたし!」
アメリア「うううう……。まさか……空耳よね、きっとそうよね。」
 何その反応?アメリア、NEXTで懲りたのかしら?そーいや悪がはびこってるからって理由でついてきたのは無印時、それ以来はセイルーンに帰れなくなる大騒動(リナのドラスレ)により旅が始まるアメリアにとって、リナはまさに旅立ちの鬼門というもんでしょう。

 それにしてもこの特にBパートのできはすごすぎですね…。船出で何人人書いてるの?というくらい画面に目白押しの人・人。船出の描写がこと細かく流れていて音楽はもちろんこれオンリーの為につくったもの。
アメリア「ひっ!!!!」
リナ「やっほーーー!アメリア!ひっさひぶり!」
アメリア「ほっーほほほっ!そなたは誰?わらわは存ぜぬ……」
 アメリアが高笑いしたっ!貴重な一声です。そしてまさにアメリアの不吉な旅立ちはスタートするのでありました。

 ゴールデン・ドラゴン(以下黄金竜)に変身したフィリア。そのシーンはなんだか某アニメに似てなくもないけど美麗なので許す!って感じですが、そのフィリアが結構見境なしに町を徘徊。初の船上戦を繰り広げます。
リナ「いくわよっ!ガウリイ、ゼル、アメリア!」
アメリア「どうしてわたしを巻き込むんですかぁー!」
 っといいつつしっかり例のトランクを持っているアメリア。お決まりですね!
 アメリアの指示で動く船。おおっ!モールス信号をライティングで!すごっ。細かっ!
魔道士たちの一斉ファイアー・ボール、フィリアのレーザーブレス、アメリア・ゼルのダブルバースト・フレア、とすさまじい攻防が続きます。
 それにしても、レーザーブレスをバーストフレアで撃退って……危ないことしてるなぁ。船だからいいのか?やはり、いくらやっても火事にならないからってか攻撃が派手なので見栄えしますね。
ガウリイ「オレの出番かー!光よーーっ!」
リナ「ちょっと何やってるのよぉ!」
 ガウリイ、アニメで始めて光の剣で光を飛ばし(操られてた時にはバンバカ打ってましたが)よその船を撃沈させる。なにをやっても空回りになってギャグオンリーの役柄に最早なっていると思われます。ああ、無印の頃は必殺だった光の剣が…、ああ、あの頃はちゃんとしたヒーローだったガウリイが…。まるで、初期だけかっこよかったヤムチャのようだ…。

 さて、ここからはリナの出番。まずは、火炎系魔法ルーン・フレイア、続いて波の上からシーブラスト。ロープ握るとは考えるなぁ、アニメっ!そして、ドラグ・スレイブ!
 あ、ここでゼル・アメリアのサングラス姿がみえます。(ガウリイはもう少し先)
 最後のオチはおおっ!津波!海っぽさ満開のスレイヤーズ。いいですねぇ、こうでないと!そしてやっぱり1話目の都市はめちゃくちゃになるのでした。

リナ「よっしゃ、決めた!このまま逃げる――じゃなくって、このまま外の世界に出発!」
全員「ええーーっ!?」
リナ「どうせ船の向きならかえられないんだから、このまま未知なる世界に第一歩を踏み出すのよ。」
ガウリイ「いいのかな。」
アメリア「レイ・ウィングとかならまだ帰れますよ?」
リナ「ぐだぐだ言わないの!アメリア、あんた外の世界で正義を広め、悪を討ちたいわよね?」(うわ、ここらへんの強引さ、アニメリナだよぉ
アメリア「…はい…」
リナ「ゼルガディス、当然異存、ないわよね?」
ゼル「ああ、俺には願ったり叶ったりってやつだな。」
リナ「で?ガウリイは?」
ガウリイ「まっ、付き合うか。」
リナ「じゃ、今度は新しい世界が舞台ってことで、出発〜〜っ!」
アメリア「リナさ〜〜ん」
リナ「聞こえなかったのぉ?新しい旅に、しゅっぱ〜〜〜つ!」
全員「はーい」
リナ「声が小さーい!もう一度!」

 ってわけで、TRY編スタートです。さんざんお待たせした上、初っ端から批判、失礼しました。ですが、面白いことに変わりありません。これからも楽しく語っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

ラジオドラマねくすとら感想記第4話「破壊神はつらいよ」
2005年03月23日 (水)10:23
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 ガウリナにある「逃げガウ、追いリナ」という言葉をご存知でしょうか?
 これはまさに、珠玉のガウリナの名シーン!涙は枯れ、笑いというより苦笑が起きる…!そんな、シーンなのでございます。

ラジオドラマ第4回、最後となる夢落ちシリーズはやっとの出番、ガウリイです。

ガウリイ「リナ……」
リナ「ん…、ふわぁぁあ。何ガウリイ、こんな朝っぱらから……」
ガウリイ「ああ。リナ。実はオレ……」
リナ「はぁ。あんたどうしちゃったの?また、くらげの着ぐるみなんか着ちゃって。よっぽどそれ気に入っちゃってるんだね」
ガウリイ「いや、そうじゃないんだ……。これ……着ぐるみじゃないんだ」
リナ「へ?着ぐるみじゃないって……」
ガウリイ「テレビの時も可笑しいって思わなかったか?……あのくらげ……、どう考えても人間の体型してなかっただろ?」
リナ「そりゃそうだけど……でもあれギャグじゃん?」
(あんた、そんな一言でスレイヤーズを片付けないで……)
ガウリイ「実はな、リナ。オレ、お前にさよならを言わなきゃいけないんだ……」
リナ「え……?さよならって……?」
ガウリイ「みんなには黙ってたけど、オレ……

くらげの国のおうぢなんだ!」

SE ガガーーーーン(ショックを受ける音)
リナ「うへぇぇえええ??……くらげ?」
ガウリイ「そうなんだ。だからこの体も…くらげの姿が本当のオレ……。人間の体の方が着ぐるみだったんだ」
リナ「う……うそ……」
ガウリイ「ほら……触ってみな」
SE ぬりょん(触手を触る音)
リナ「うわぁ!ほんとだ!着ぐるみじゃない!これ生っ!!!
……うっ……うわぁぁあああ。……本物の生足……」
ガウリイ「結構…モノはいいんだぜ?(照れながら)くらげ国の王子として人間界に社会勉強に来てたんだ」

 …というわけで、くらげガウリイ現るの巻です。
 物はNEXT15話『大激突?戦いのアルテメ塔』よりの抜粋ですが、ここで監督らが密かに(でもないけど)話していた突込み。
「ガウリイ、胴体どこ行ったの?」
から生まれたといっても過言ではありません。
 触手とか物はいいんだぜとか、きわどい言葉ばかり吐いている面も、スカートめくりとかセクハラ行為ばかりしているガウリイらしいと個人的には思います。……あ、それのどこがセクハラなの?って突っ込みは勘弁してくださいね。穢れた大人には秘密用語がいっぱいあるんです。
 ですけど、これ、1997年発売ですよね。あーー、今だったらこれをネタにした18禁本が出るとわかってて言っている様なもんですけど、この頃はそんなジャンルはなかったのかもしれません。え?詳しくないですよ、だってこの頃私、うら若き乙女だったんだもん!

リナ「え…ええ…、でっ…でもそれだって!くらげだってガウリイはガウリイよ!何も変わらない!今までどおりやっていけるわよ!」
ガウリイ「それがダメなんだ!今のオレは身も心も頭の中もくらげなんだ!」
(そんなこと言ったらリナに食われるよ、ガウリイ)
リナ「え…ええ……」
ガウリイ「オレは…くらげの国に帰らなくちゃいけなくなったんだ……」
リナ「そんな…!」
ガウリイ「もうすぐ迎えがやって来る…。そうしたらオレは王子として国に帰える。それまでにお前だけにはさよならを言いたくて…」
リナ「ガウリイ!」
ガウリイ「これも…定めだと思ってくれ……」
リナ「そんなっ!嫌だよ!アメリア!ゼル!ガウリイがっ!ガウリイがっ!!!」
アメリア「リナさん!」
ゼル「なんだ、どうしたリナ!」
リナ「ガウリイがっ!ガウリイがくらげの国に帰るって……!」
ゼル「なにっ!?」
(急にやってきてノリが良すぎだよ、ゼルガディス)
アメリア「くらげの国?」
(そうそう、普通はその反応)
ゼル「ガウリイ……お前、前々から可笑しいとは思っていたが……」
(何、納得してんの…ゼル)
ガウリイ「ゼルガディス……アメリア……残念だけどこれでお別れなんだ……」
アメリア「ガウリイさぁん……」
リナ「いやぁっ!行かせないっ!あんた一生あたしの保護者でいるって言ったじゃない…!!」
(声が笑ってるよ、林原さん!)
ガウリイ「ごめんっ!だけどもう、行かなくっちゃ!!!」
リナ「ガウリイ!!!!!」


ガウリイ「で、一週間くらいで戻ってくるから。」
リナ「あぁ?」
ガウリイ「ふっ、いやぁ。だからぁ、帰りは一週間後くらいかなぁって…。法事が終わったらすぐに帰ってくるから。」
リナ「はぁ、どうゆうこと?」
ガウリイ「なんかぁ、オレの先祖のラウディってじいさんの50回忌らしいんだけど、一応オレも出席しなきゃいけないみたいで……。なあに!すぐ帰ってくるからさぁ!」
リナ「なっ!なんですってぇ……」
ガウリイ「だからぁ、オレの先祖の…」
リナ「そーじゃないでしょっ!だったらなんでそうならそうと言わないの!紛らわしい!」
ガウリイ「え?オレなんか紛らわしいこと言った?」
リナ「言った言った言った言った言いまくった!」
アメリア「なあんだ。そうゆうことだったんですか」
ゼル「あーあ。あほらしい」
ガウリイ「あれぇ?リナ、なんか怒ってる?」
リナ「怒ってなんかいないわぁ!くらげの国にでも法事でもとっとと逝って来ぉおおーーい!」
SE ドカバキーーー!(素手で殴り飛ばした音)
ガウリイ「どわぁぁああああ!!!!!なんでこーーなるのぉ!」
リナ「ったく!あのくらげ男が!」

 ってわけで、ガウリナ名作の逃げガウ追いリナでしたねぇ。いやぁ、私はあの
「いやぁっ!行かせないっ!あんた一生あたしの保護者でいるって言ったじゃない…!!」
でリナ役の林原さんが思わず笑い声になっている辺りに涙が出るほど笑いましたねぇ。ラウディの爺さん(映画:無印スレイヤーズのヒーロー)も死んでなお50回忌まで祈られてるなんて、本望ってやつでしょう!

 ガウリイが王子って設定はいくらスレイヤーズでもありえないとは思っていますが、特徴ある出生をするのがある種、ヒーローの条件ですので、ガウリイの過去ってのは想像のし甲斐があることでしょう。
 余談ですが、英雄伝ってのはだいたいパターンが決まっていて、日本の神話のスサノオやヤマトタケル、ギリシャ神話のヘラクレスなんかもそうですが、
1、出生に特性がある
2、物語の進行は 出生→成人(活躍する歳)→非業の死の3段階
になっているそうです。
 例えば、ドラゴンボールの悟空がサイヤ人の子として地球に捨てられてきた…というのが出生の特徴で、レットリボン軍からセルまで倒すのが成人期、セルにやられて悟飯と共に倒すのが非業の死…と考えるとわかりやすいんじゃないかと思います。(死んでないけどさ)
 それにくらべ、スレイヤーズは英雄要素が全くといっていいほど無いので、せめて主人公たちに何か生い立ちの特徴があるんじゃないの?と疑いたくもなるわけです。でもまぁ、スレイヤーズがジャンプ系になったらなったで違和感ありまくりでしょうが…。
 今回はそんな読者の心理を巧みに操り、なおかつ最上級のギャグにして返すというスタッフの素晴らしい心意気を感じました。
 あと、やっぱり本人の夢ですので、リナがありえない取り乱し様をしてるのが面白かったです。1話をおもいだしますね。

 さて、では落ちに参ります。

ガウリイ「なんでこーーなるのぉ!」
SE バサッ
ゼル「なんだ?今回はガウリイが悪い夢を見る番か……」
ガウリイ「夢?……なんだ、今のって夢だったのか」
ゼロス「そりゃそうでしょう?眠ってたんですから」(なぜか眠そうな声)
ガウリイ「そうか……、オレ……くらげの国の王子になる夢を見たんだ」
(いい年こいた大人が…なんて情けない台詞を言うんだ)
ゼル「ああ」
ゼロス「それは無理も無いですね」
ガウリイ「えっ?なんで?」
ゼル「パジャマがわりにくらげの着ぐるみ着て寝てたら、そんな夢見て当たり前だろうが!」
ガウリイ「え、やっぱし…?……これ…気に入ってるんだけど……」

 着ぐるみで寝てたんか、ガウリイ。

 やっぱりガウリイは着ぐるみ大好きでした。寝汗すごそう……。
 さて、夢オチシリーズはこれで終わりですが、やっぱり夢をみないゼロスバージョンがないのは悔しいですね。本編があってこそのラジオドラマですが、もぉ絶品!大好きです、ラジオドラマ。
 この回に至っては原作すぺしゃる10「破壊神はつらいよ」に準じていません。ここには無印時のラジオドラマ、えとせとら4話と同じく、ディルギア、ザングルス、ヴルムグン、シルフィールが出てくるんです。この豪華さに思わず拍手。NEXTで一度も出てきていないディルギアやヴルムグンが最後の最後にでてきて誰が喜ぶんだと叫びたい!が、一番私が楽しんでいる!!!!!わおぉ!みんなすごすぎよぉ!
 他にもミワンまで出てくる豪華さ。全員に係わり合いがあるってことで、ゼロスの知り合いも呼ぶはずだったのだが、全員死んでいるので取りやめになったらしい。そのことを語っているのがこの台詞。
ゼロス「なんだか僕だけ蚊帳の外ですね」
ウィレーネ「ゼロスさんにかかわりのある方も探したんですが、全員お亡くなりになっていまして……」
リナ「それともまた、フィブリゾにでも復活してほしかった?あんた、またいじめられちゃうよ?」
ゼロス「それもちょっと……」
ってことで、やはりいじめられてたんか、ゼロス。
 スポットこそディルギアは、姉ちゃんにおしおきされるの喜んでるし、ヴルムグンはゼルガディスと女装対決しちゃうし、やっぱラジオドラマは無境にギャグを求めてるなぁーと感じます。ご紹介したいんですが、そうでなくてもこの紹介の引用部分多すぎっ!って感じですので、断腸の思いで終わります。

 ファンサービスというか単に暴走というか、スレイヤーズスタッフは最高ですね!

 では、次回からやっとのことでTRYに進みます。お楽しみに!

ラジオドラマねくすとら感想記3話「愛しの根性なし」
2004年09月26日 (日)00:39
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 アニメNEXT・ゼルの最高峰!すでに伝説と化しているあの一言を喋るのがこの回です。が、ゼル好きさんがショックを受けても私は責任取れませんのでよろしくお願いします。

 そう、すべての不幸の始まりはいつも幸せな状態から……。

ゼル「うおぉぉぉぉおおおおお!!!!!!っ!
ついにっ!ついに俺は!元の身体に戻ったぞぉ!!!!!」

 ゼルの喜ぶその一言、それは…彼の兼ねてよりの望みであった「人間に戻ること」であった。

アメリア「おめでとうございますっ!ゼルガディスさん!」
リナ「ついに念願が叶ったってわけか。良かったじゃんゼル!」
ガウリイ「やったな〜〜ゼルガディス!」
ゼロス「ゼルガディスさん。ボクからもお祝いを言わせていただきますよ。」
マルチナ「まあ、よかったじゃないの。」

 次々にお祝いを言う仲間たち。アメリア先頭の位置をキープしてますねぇ。嬉しさもひとしおでしょう。さて、続きを。

ゼル「みんな…ありがとうっ!これも…みんなのおかげで…。」
アメリア「でも……これでゼルガディスさんとお別れなんですね。」

 なっ!アメリアぁ!お別れ…お別れ……ってあんたぁ!それはないでしょう!一体どうしてそうなってしまうのかぁ!

ゼル「何!?なんでそうなる?」
アメリア「だって、ゼルガディスさんがわたしたちと旅を続けてきたのは、自分が元に戻る方法を探す為だったんでしょ?」
ゼル「それは…確かだが。」
リナ「だったら、その目的が叶った以上、あたしたちと旅を続ける理由はなくなった―ってわけでしょ?」
ゼル「いや!しかし…だからと言って、一緒に旅を続けたって構わないんだぞ?」
 照れてやがる、ゼルの奴。しかし、態度が若干横柄だが、彼の自信ゆえか…?

リナ「ちっちっち!わかってないわねぇ〜、ゼル!」
ゼル「…何をだ?」
リナ「あんたが旅を続けてこられたのはっ!一重にブラス・デーモンの魔力容量(キャパシティ)ロック・ゴーレムの攻撃力・防御力があってこそ!」
ゼル「そっ…それは……。」
リナ「あたしには、ドラグ・スレイブを始めとする黒魔術があるわ!」
ゼル「はっ!」
アメリア「わたしは治療呪文や白魔法のエキスパートだし。」
ガウリイ「オレは剣の腕と、光の剣。」
ゼロス「ボクは魔族っていう特徴がありますし…。」
マルチナ「あたしには!ゾアメルグスター様という強い味方がいるわっ。」
リナ「今までは…あのレゾに身体を改造された不幸な境遇ってのがあったのに、元の身体に戻ったゼルにはそれもない……。いわゆる『キャラクターが立ってない』って状態なのよ!今のゼルは。」
  SE ジャジャーーーーン(後背景に稲妻フラッシュ)*予想
ゼル「きゃ…キャラクターが立ってない?」
リナ「悪いけどぉ、そういう人をスレイヤーズの世界においておくわけにはいかないのよ。」
ゼル「……まさか、俺が元の身体に戻るということが……俺から個性を奪うことになるとは!」
リナ「残念だけどね。」
ゼル「俺は…俺はこれからどうしたらいいんだっ!?」
リナ「どうしてもあたしたちと旅を続けたいっていうんなら、元のキメラの身体に戻るしかないわね。」

 というわけで、元の身体に戻った途端、プライドも何もかもを失ってしまったゼル。…確かに、キャラが暴走して話を形成しているのがスレイヤーズなわけであって…、キャラが立ってないというのは出番に値しないということなのでしょうか。おっ恐ろしや!スレイヤーズ!芸人世界に匹敵する厳しい業界であります。
 スレイヤーズの物語ってのは、わかんないんですが、大元の流れがあって、その上のキャラをどう動かしていくかっ!ていう話なんですよね。ベースが王道でも、キャラが立っているゆえ面白く跳ね返る。
 そんなストーリーに、普通のゼルなんてちっぽけな存在はいらないと。そういうわけですか…。水に浮くゼルはいらないってわけですかぁ!(そこまで言ってない)

ゼル「…それしか(キメラに戻ること)ないのか?」
ゼロス「無理にとは言いませんよ?このまま畑でも耕しながら真っ当に生きていくのも、一つの選択肢ですから。」
 真っ当に生きる選択肢がそれだけっ!?
ゼル「……わかった。俺はキメラの身体に戻るっ!戻してくれ…!」
リナ「エライ!よく言った!では、早速ぅ!」
  SE ガチャ ガチャ (ゼルの身体を固定する何かの音)
ゼル「…すぐにか?」
 何か間抜けなゼルの一言。
ゼロス「心配要りませんよぉ。この魔族のボクがちゃんとやってあげますから。」
リナ「ガウリイ、そっちの足も押さえつけて。」
ガウリイ「おっしゃぁ!」
  SE ガチャ ガチャ
ゼル「おいっ!」
リナ「ブラス・デーモンとロック・ゴーレムの準備はいい?」
アメリア「はーーい!OKでーーーす!」
ゼル「待てっ!…まだ心の準備がっ!!!」
 あっはっは。そりゃー、肝心な準備ができてないわ。
リナ「ごちゃごちゃ言わないのぉ!あっ!そーだ。ついでだからぁ、あんたの弱点も克服しといてあげるわ。」
ゼル「弱点?」
リナ「あんた泳ぎが出来なかったでしょ?だから、泳ぎの上手い生き物も混ぜといてあげるv」
ゼル「何ぃ!」
マルチナ「でもぉ、そんな生き物準備してないわよ?どうすんの?」
リナ「そぉねぇ…、都合よくヌンサでも通ってくれれば……」

リナ「あっ!何故かこんなところにシメサバが。」

ゼル「ちょっちょっと待て!シメサバだぁ?」
リナ「だぁいじょぶ!大丈夫。このシメサバ、ピッチピチに生きがいいヤツだからさ。」
ゼル「そういう問題かぁっ!止めだ!止めだ!俺はキメラに戻るのを止めるぞ!」
リナ「ええぇ〜〜い!往生際の悪い!!!ゼロス!構わないからやっちゃって頂戴!」
ゼロス「はぁ〜〜い!」
ゼル「やめろ!ゼロス!あっ!やめてくれ〜〜〜!!!!」

ゼル「シメサバなんかっ イヤダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ァァァァァ!」

 エンド

 これは、是非生音で聞いていただきたい一品。もー、パプワ世代にはたまらない声ですね。緑川さんはクールな2枚目キャラにも多数出演していますが、シンタローっていえばこの叫び声しかありません。
 というわけで、ゼル、最後の不幸は”シメサバと合成”でした。
 前回と違って、話がどう行くのかわからないってところが、最大のポイントで、可笑しくて可笑しくてたまらないゼルの最大のウケどころだとおもいます。私は、最初に買ったラジオドラマがこの回でして、これがあったから全部買い揃えたと言っても過言でないほど笑いました。
 さて、続きはこちら。

ゼル「ウウ…はぁぁ……シメサバは…シメサバはイヤだぁ〜〜。」
ガウリイ「おい、ゼルガディス?…どうしたんだゼル!」
ゼル「はぁぁああ!!!!」
  SE  ガバッ(布団を跳ね除ける音)
ゼル「はーっ…はーっ……俺は一体?」
ガウリイ「さっきから随分うなされてたぜ。」
ゼロス「そうですよぉ、ゼルガディスさん。悪い夢でも見たんですか?」
ゼル「…夢?」
ガウリイ「…シメサバがどうとか…うわごとで言ってたぜ?」
ゼル「…そうかぁ…夢!みんな夢だったのか。……はっはははは。そうか、夢か〜〜。……元の身体に戻ったのも…また、キメラにされかかったのも……シメサバと合体させられそうになったのも――夢。みんな夢だったのか。……ははははは――」

リナ「――さあ、それはどうかしらね。」(エコー)

ゼル「うっ…うっ!うわはぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」

 というわけで、再び大絶叫のゼルでした。…完成予想図がとっても見てみたいぜ!
 今回は夢オチの夢オチ。もちろん本当になっていたら、ゼルはTRYで新たなキャラ立てをしたところでしょうが、元のままでした。
 ある意味究極のスレイヤーズの謎。「ゼルが元の身体に戻ったら」を惜しげもなくギャグに仕立てた高山さんにエールを贈りたいです。
 自信有りげなゼルを、木っ端微塵にする冒頭も、そこから再びキメラに戻すゼロスとリナの悪巧みも、さらに追い討ちにシメサバを持ってくる辺りも、最高に可笑しいストーリーでした。…ってか、やっぱ原作もそうですけど、アニメの脚本家さんって頭の出来が違うのかもしれませんね。…完全に先が読めない展開を作り上げてるんですもん。
 手放しに感動したラジオドラマでした。(高山さん、どうしてギャグ月間描かないんだろう…)

 さて、今回はすぺしゃる6の「打倒!勇者様」に収録されています。この話は私個人的に非常に好きです。エレミーが最高なタカビー無神経女で。が、やっぱりいいのはリナの一言。
ゼル「やれやれ、またやっかいなことに巻き込まれたもんだ。」
リナ「とか何とか言って、”身分違いの恋”ってことが、他人事じゃないんじゃないのぉ?」
ゼル「知るかっ!」
ガウリイ「お前マルチナが好きだったのか?」
ゼル「あのなぁ」
 まあ、ガウリイのボケは相変わらずとして…。ゼルがハッパをかけられるのがたいへん珍しい…というか、やはりNEXT後半からの兆しですね。

 さて!お次は最後!ラジオドラマ御馴染みの、シ●●●、ディ●●●、ザ●●●、ヴ●●●、カルテット(四人組)が織り成す豪華な一枚です!



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