2004年07月19日 (月)20:00  | 原作でシルフィールは5日間このサイラーグで過ごしている。 その時のことは余り語られていない。 ただ、幻に多少惑わされたとだけ……。
さて、アニメ感想記も残すところ3話。 まず、冒頭では前回仮面が剥がれてガウリイが現れたところの続きでした。
シルフィール「ガウリイさまーっ!」 リナ「ダメよ、完全に操られているわ。」
駆け寄るシルフィールと制すリナ。さすがに、リナは飛び込んではいかないか…。と思いきや、フィブリゾが「ネタがばれたんじゃ仕方が無いね。」と言ってガウリイを連れ去るその瞬間
リナ「ガウリイーーーっ!」
と飛び込んでいきました。 あっさりとガウリイが連れて行かれたのは拍子抜けでしたが、リナがたまらず飛び込んでいく様は結構好きです。
ザングルス「するってぇと何か。冥王フィブリゾって奴はガウリイを攫われちまったってわけか。」 ゼル「ああ。その上、あのように操り人形にされてしまったらしいな。」 アメリア「人質に取っただけでなく、ガウリイさんの正義に燃える心まで操るだなんて!あのフィブリゾって奴はどこまで卑怯なのよっ!」 いやいや、アメリア。ガウリイが正義に燃えていたとは思えないよ…。 ザングルス「しかしなんでガウリイなんぞを人質になんて取ったんだ?相手がそれほどの大物なら、お前たちの命を取ることなんぞ容易いことだろうに。」 アメリア「それは……。」 リナ「アイツの狙いはこのあたし。…あたしにあることをさせたがっているのよ。」 ザングルス「ガウリイの命を引き換えにして…か?」 リナ「…………。」 リナ「一つ言えるのは、フィブリゾの思い通りになるのは気に食わないってこと。別に無理してついて来なくてもいいのよ。ザングルスは事件の当事者ってわけじゃないんだから。」 ザングルス「ふん。当然お前さん方と一緒に行く気はないさ。」 アメリア「えーー。一緒に戦ってくれないんですか?」 ザングルス「俺はもう一度ガウリイと決着をつける。それを邪魔するものは全て斬る。ただそれだけさ。」 ザングルス「それに俺は”団体行動”って奴が苦手でね…。勝手にやらせてもらうさ。」
いやぁ、ははっは。ザングルス。無印であれだけヴルムグンとつるんでいたとは思えない台詞ですね。わざと?わざとなんでしょうか?このザングルスのかっこつけようは…。無印とのギャップがさらにザングルスを可笑しくみせます。まるでポジション・ゼルじゃないですか。 そんなザングルスに心ときめかすマルチナ。
マルチナ「ニヒルでかっこいい人。あっ、あの折れ曲がった帽子といい、マントもいいセンスしてるし…。」 アメリア「前から思ってましたけど、あの人のセンスって。」 ゼル「ほっとけ。」
やっぱりこのギャグがやりたくってザングルスは2枚目を気取ってるのでは…。 そんなわけで、スナフキン帽子にポンチョ、これで原案が原作2巻に登場するロッドだったらどうしよう…というザングルスに惚れたマルチナ。 確かにお似合いかもしれないな…。
さて、ここからが今回の見所、死霊都市サイラーグです。 原作でも印象的なこの都市。前のコピーレゾとの戦いとは、また違う趣きでした。…ところで、アニメではサイラーグ、半壊しただけだったと思いますが……あっ、その話はしてはなりませんか。もみ消されてしまいましたか…。それはすみませんでした。
サイラーグに半ば潜り込むリナ一行。サイラーグに行く時は、なぜかこそこそしているアニメスレイヤーズです。 街の中は至って普通ですが…シルフィールはあることをつぶやきます。
シルフィール「これは…新しく出来た街ではありません。」
そういって自分が昔、背を測るのに使っていた木の傷をみせるシルフィール。子供の頃のシルフィールが回想され、父であるエルクの姿が見えます。 ゼル「バカな!この街はコピーレゾとの戦いで……!」 懐かしい無印のテロップが流れ…、あの時のシルフィールの狼狽振りが浮き彫りになります。 故郷を失ったシルフィールの嘆きぶりは、あれほど軽いノリだった無印の中で、ひたすら重い場面でした。エルクさんの「うわーーっ!」というシーンは無印中には無かったはずですが…付け加えられたのでしょうか。
「…シルフィール?」
後の声を聞いて、硬直するシルフィール。……まさか、そんなはずはない…。肩を震わせるシルフィールの演技がとてもいい感じです。 シルフィール「お父様?」 エルク「シルフィール。」 一瞬、呆然と固まってから、不安げに駆け寄るシルフィール。 シルフィール「ご無事だったんですね?わたくし、てっきりあの時……」
そんなわけ、あるはずないじゃない。誰もがそう思っているだろうこの時、シルフィールの言った台詞はなんともちんけで…安っぽい期待だろう……。 でも、実際、あのシルフィールがこんなことしか言えない……という事実が痛さを感じさせます。
シルフィールの父親、エルクの家に行くリナたち。そこで知らされたのは、この街にいるもの全てが冥王フィブリゾによってかりそめの命をもらった存在にすぎないという事実だった。 シルフィールにとっちゃ、父親が本当に死んだと言う事実と、むやみに命を与えられてフィブリゾにもてあそばれていると言うダブルショックを食らわされたわけである。 原作で、シルフィールはそのことに気づいている節があるが、5日間、このサイラーグに留まっている。幽霊というには余りにも自己意識が無い、ガウリイの操り人形と変わりない父親の姿を見て…シルフィールは何を思ったのだろうか。
まったくの余談なんですが、私の中でこの時シルフィールが父親の手に引っ張られて心臓が動いてないことを知るシーン。TRY8話の「俺の乳吸え」シーンと対なす「俺の乳揉め」シーンに見えなくもないんですが……ああっ!ごめんなさいっ。すみません、邪な考えでした!
場面はかわってBパート。流れてくる音楽は無印の「Determination」。なっ…懐かしい。まあ、この音楽は登場回数こそ少ないものの、TRYでも使われている曲で珍しくはないんですが…。 でもそれにしても、この回から音楽がすごいんですよね。いくら…TRYが始まるからって24話から26話までで、サントラ1枚を形成するほどBGMを作るなんて…豪華すぎですよ…。よく音楽事情は知りませんが。 この回からすでに最終話用の新しいBGMが取り込まれており、特にすごいのが25話、26話。ドラグ・スレイブの詠唱などの、いつも使われているBGMはそのままなんですが、それ以外はすべて新しいBGM。しかも、場面に合わせて曲を作るように指定されていて、画面の盛り上がりと曲の盛り上がりが一致するように計らわれています。 その見事なつながりは、テレビというより映画ですよ。ひっきりなしに音楽がつづくんですもん。
この音楽効果はすさまじいもので、だからNEXTの24話〜26話は特別なんですよね。…ちなみに、この音楽はTRYのクライマックスでも同様です。 無印から比べたら、えらいお金使っています…。ほんと、視聴者が増えるかどうかでこんなにクオリティーに差が出るなんて…。もう少しアニメも認められてもバチあたんないと思うんですけどねー…。
そんなサントラ効果を発揮する序盤のこの回。先ほどにも言ったように新しいBGMも作られていますが、それより気になるのが、無印時のBGMの多さ。「Determination」の他にも無印の時しか流れなかった音楽が使われています。(リナが子供を刺してしまった時の曲です) すごいなぁ、まさに無印のサイラーグを思い出すこの回に相応しいじゃありませんか。わざと…無印時の曲を使っていると、私は思っていますから。 音楽も、無印時―ややロック調(エレキギターなども入る)、NEXT―フル・オーケストラ、TRY―オケ&コーラスって別れてるから、わかりやすいです。 アニメの重さは、1に映像なんですが、次くらいに音楽が入ると私は思っています。TRYでコーラスを入れたのは、神話の世界感を出す為だと思うのですが、それが見事にはまっていて、TRYは重いんですよね。 皆様も一度、BGMも聞いて楽しんでみてはいかがでしょうか。
ええと、長く腰を折ってしまいましたが話を元に戻します。 冥王宮へ近づくリナたち。例の空間がねじれた扉に入る場面です。ドラグ・スレイブをぶっぱなそうとするリナ。そこへその扉が出現します。 やっぱりアニメだとわかりやすい…というか動くと楽しい場面ですね。アメリアの手がひょこひょこ出る様がとても面白い。
リナはあっさり入るのを諦め、夜を待ちます。そして、夜、暗闇に紛れ、ゼルやアメリアから離れ、一人フィブリゾの神殿へ…。 リナ「みんな…悪いけど……。」 そんなリナに気がついたシルフィールは、一人リナを追いかけます。
リナ「もともと、ガウリイが攫われたのはあたしが原因だし。……みんなをこれ以上、危険な目にあわせるわけにはいかないしね。」 シルフィール「でも、それは…」 リナ「フィブリゾは、今まで戦ってきた敵とは段違いの力を持っているわ。あのコピーレゾやザナッファーなんて足元にも及ばないくらい……。悪いけど、そんな相手とやりあえるのはあたしだけ。 ……だから、あたしは一人で行くの。」 シルフィール「…アメリアさんやゼルガディスさんが後で知ったら、怒りますよ。」 リナ「生きて帰って来れたら、いくらでも怒られてあげるわよ。まっ、そーゆーわけだから、シルフィールも――」 シルフィール「お供します。わたくしは、一緒に行かせてもらいます。」 リナ「ちょっちょっと、シルフィールっ!?」 シルフィール「…わたくし、許せないんです。ガウリイ様のこともそうですけど、このサイラーグの街を好き勝手に操っているフィブリゾが…。生きてるはずがないとわかっていても、ああしてお父様が『お帰りなさい』って言ってくれた…。あの日、戦いにまみれて死んだってことの方が嘘なんじゃないかって思えて…。ずるいですよね?」 ぽろっと涙をこぼすシルフィール シルフィール「あらっ…わたくし…。ごめんなさい。とにかく、死者を冒涜するフィブリゾをこのままにはしておけません。ガツンといっぱつ食らわせてやらなきゃ!」 リナ「……しゃーないな。そのかわり、無事に帰ってこれるって保証は、これっぽっちもないんだからね。」
好きなんですよね。この場面。原作を補うこのNEXT。シルフィールのこの言葉は、彼女の強さと、そして失ったものへの悲しみがよく伝わってきます。無印で、成長したシルフィールですが、やっと彼女らしくなったというか…原作よりも精神面が幼かったシルフィールが、原作に近づいた瞬間だと思います。 そして、駆け出す二人。 リナ「そーいや、コピーレゾとの戦いの時も、こうして二人で走ったっけね。」 懐かしいな、この二人の後姿。この二人のタッグは、見ていてハラハラするんですが(主にガウリイの言葉がでてくると…)精神面でのライバルと言う意味でとても好きな組み合わせです。
さて、ここでフィブリゾが第2に仕掛けてきたもの。それは、夜中になると民衆が襲い掛かると言う罠。 うおー、なんだか死霊都市っぽい!アニメらしい展開ですが、これはこれでいいと思います。イラストはここをモデルにしています。生気無い民衆が陳腐な武器を手に襲い掛かる。シルフィールは…手出しできないでしょう。だって、近所のおばさんたち、見知った顔も数多くいたでしょうから…。 ですが、リナが子供を刺した時、一生懸命止めたのがシルフィールでした。
シルフィール「あの子はずっと前に死んでいたんです!」
その台詞を彼女が言うのに、どれほどの痛みを伴ったか…。察するだけで辛い。
しかし、その後ザングルスが強行突破を果たし、リナ・シルフィール・ザングルスはフィブリゾの神殿に。アメリア・ゼル・マルチナは街で民衆と対峙。 ラグナ・ブレードによって道を開いたリナは、そのまま神殿へと入っていきます。
さて!メインディッシュの時間です!というわけで続きます。 |
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